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【見えてる世界が一変する!】タロとジロの物語「探検隊」星新一:著

ペンギンオヤジ
今日(1月14日)は、『タロとジロの日』なのだそうだ。

 

映画「南極物語」でも描かれた南極に取り残されたカラフト犬のタロとジロの生存が確認されたのが、昭和34年の1月14日だったとのこと。

 

当時、この出来事が世界に向けて発信されて大きな感動を生み、1月14日は「愛と希望と勇気の日」などとも呼ばれてます。

 

確かに、タロとジロが厳しい南極の地で生き抜いたこと、そして再び南極観測隊員

 

たちと再会できたことには感動しますよね。

 

だけどね。

 

星新一さんのショートショートの一編「探検隊」を読むと、タロとジロの感動物語の印象が一変するんですよ!

 

「探検隊」のあらすじ(ネタバレあり!)


突然、大きな宇宙船がやって来て、中から大きな宇宙人が何人か降りてきた。

 

最初、村人たちは宇宙人を恐れていた。

 

しかし、宇宙人たちは別に村人たちに危害を加えることもなかったので、そのうち村人たちも安心して騒ぎも落ち着き、宇宙人たちと村人たちはお互いに邪魔し合わない生活を送るようになっていった。

 

宇宙人たちは宇宙船で連れてきた恐竜のような大きな動物にまたがって時々、遠くまで出かけて行ったりしていた。

 

秋になると宇宙人たちはまた宇宙船に乗って、何処かへと去っていった。

 

しかし、宇宙人たちの去った後には、太い杭につながれたあの大きな恐竜のような動物たちが残されていたのだ。

 

その動物たちも最初こそ、杭につながれていたので村人たちに危害を加えることなかった。

 

やがて冬になり雪が降り始めると、動物たちは唸り声をあげて鎖を噛み切って村へと暴れ込んできた。

 

村人たちは抵抗したが、まったく歯が立たず何人かの村人たちは大きな動物の餌食になってしまった。

 

村人たちは、村を捨てて何処かへ逃げ出そうと相談をしてると、また大きな宇宙船が飛んできて、宇宙人たちが戻ってきたのだ。

 

村人たちは、この暴れまわった跡を見れば、きっと宇宙人たちが動物のことを懲らしめてくれるに違いないと思った。

 

しかし、宇宙人は動物を抱き上げたり、頬を寄せたりするだけだった。

 

その様子を見た村人の一人がぽつりと言った。

 

「あの怪獣どもは、やつらのペットでタローとジローという名前に違いない」


 

もう、お分かりのとおりこの作品では、宇宙人=南極観測隊員、恐竜のような大きな動物(怪獣)=カラフト犬のタロとジロ、村人たち=アザラシなどの南極の動物たち、というメタファーになっていて、村人たちの視点で描かれてる。

 

どうですか?人間視点ではなく、南極のアザラシたちの視点で見ると、タロとジロの話しもだいぶ印象が変わりませんか?

 

最初にこの作品を読んだのは確か20代だったと思うので、今から30年以上も前のこと。

 

当時、視点を変えるだけで見えてる世界がこんなに変わるのか!と、ものすごく驚いた!

 

タロとジロが厳しい南極の冬を生き抜いて、観測隊員たちと再会を果たした感動の物語は、あくまでも人間側の視点なんですよね。

 

タロとジロや他のカラフト犬たちの餌食になってしまったアザラシたちにしてみれば「とんだ災難」以外のナニモノでもなかっただろう。

 

もちろん、誰が悪いわけでもないのだけど、この作品は「物事を見るときに、視点を変えて見ることの大切さ」を若き日の私に教えてくれた。

 

この作品は42編のショート・ショートが収録されてる「ようこそ地球さん」に収められているので、興味のある方は読んでみるのも良いと思いますよ。

 

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