「置かれた場所で咲きなさい」
渡辺和子:著
幻冬舎
例の騒動で自粛、自粛つづきで心が疲れてませんか?
たぶん、自由を奪われると人ってすごいストレスを感じると思うんですよね。
外出自粛では、べつに体を縄でグルグル巻きにされたりすることはないけど、我慢を強いられるとやはりストレスって感じると思うんですよね。
そんな「自粛疲れ」などで心にストレスを感じてる人に是非とも読んで欲しい本をご紹介します。
この本は私が母の介護で体も心も疲れ切っている時に出会った1冊です。
あの大変な時期を乗り越えられたのは、この本のおかげだと思ってるくらいです。
その本が「置かれた場所で咲きなさい」(渡辺和子:著)です。
有名な本なので、ご存知の方も多いかもですね。
私を救ってくれた一節
置かれたところで咲きなさい
・・・
どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくていい。その代わりに、根を下へ下へとおろして、根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。
この本の冒頭に書かれている言葉です。
初めてこの本を読んだ時、私はほぼ24時間付きっきりで母の介護生活を送っていたうえに、抗がん剤治療中で副作用に悩まされてました。
どう考えても、「人生のどん底」だと思い込んでいたんですよね。
そんな時にこの言葉を読んで私は救われました。
人生には順風満帆なときもあれば、逆境に苦しむときもある。
いい面も悪い面も合わせて両方とも自分の人生。
だから、苦しいときは腐ったり悲観したりしないで、そのとき自分にできることをやって自分を育てておく。そうすれば、次にいい波が来たときにより大きな花を咲かすことができる。当時、そんなふうに考えたんです。
それに「チャンスは準備している人のところへ訪れる」という言葉もありますよね。
逆境は次の準備をするとき、そんなふうに思えば自然と心が前を向くように思いませんか?
環境の奴隷にならない
置かれた場に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと、決心することができました。
人って誰でも多かれ少なかれ、周りの環境に影響を受けますよね。
今みたいに「自粛、自粛」と言われたり、いつ自分が感染するかという恐怖に怯えたりする環境の中では、どうしてもネガティブな気分になるのは仕方ないとも思うんです。
だけどね、
逆境の中にあって、人のせいにしてばかりいても何も解決しません。。
私のように大きな病気になることもあれば、親の介護で自分の生活が一変してしまうことだってあるんです。
そんな時に自分の運命を呪ったり、人に文句を言っても決して幸せにはなれないと思う。
自分の力で変えることのできない環境や運命に襲われたら、先ずはしっかりとそれを受け止める。次にその環境の中で自分の在り方を考えて、出来ること、やるべきことをしっかりやる。
たぶん、それが「環境の奴隷」ではなく「環境の主人」として生きるということでないかと思うのです。
人に恥じない生き方とは
1923年に起きた関東大震災の折に、自由学園創立者の羽仁もと子さんがお書きになったものを読み、感銘を受けました。二人の娘さんが、お米や必需品を買っておきましょうといったのに対して、羽仁さんはいわれました。
「いいえ、その必要はありません。家にあるものをまず使いましょう。他の家族がお米がないのに、我が家がご飯を食べているとしたら、それは不名誉なことです」
これこそは、美しく生きようとした人の言葉であり、正しい意味で、人間の名誉ということを理解していた人の考え方でした。
マスク、トイレットペーパー、ティッシュ、食料品・・・今の買い占め騒動を見たら羽仁さんは何と思われるんでしょうね?
・・・と、ちょっとイジワルなことも考えたりしてしまいます。
よく「人は逆境の中で試される」と言います。
普段どんなに格好をつけていても、逆境の中ではその人の本性が表れてしまうからですね(化けの皮が剥がれる?)。
ここで買い占めしてる人のことを悪く言っても仕方ないですね。
それよりも「他人の振り見て我が身をなおせ」という言葉があるように、この大変な時に、自分はどういう自分でありたいかということを考える良い機会と思えば、腹も立たないというものです。
まとめに代えて(今の自分にできること)
「咲けないときは下へ下へと根をおろす」といっても、具体的に何をしたらいいの?と思う人もいるかもですね。
そのヒントもちゃんとこの本に書かれてます。
「物事がうまくいかない時に笑顔でいると、不思議と問題が解決することがある」
「自分自身との戦いの末に身についたほほえみには、他人の心を癒す力がある」
「不機嫌は立派な環境破壊だということを、忘れないでいましょう」
厳しい環境の中にあって、先ずは笑顔になってみる。
そして不機嫌な顔を見せたり、暴力的な言葉を発しない。
それだけでも、充分に周りの人のためになると思うのです。
仏教の世界では「和顔施(わがんせ)」といって、笑顔は他人のためになるという考え方があります。
ニコニコ笑っているだけで、周囲を明るくするからですね。
それに、例え心からでなくても(ウソでもいいから)、口角をあげて笑顔を作ることで自分の免疫力を上げるということをいうお医者さんもいます。
つまり、自分が笑顔でいることで周りの人の気持ちも明るくなるし、自分の健康のためにもなる、ということです。
まだまだ厳しく長い戦いが続くかもしれません。
そんな今だからこそ、この本を読んで気持ちをリセットしてみてはどうでしょうか?
抗がん剤治療と介護生活で疲れ切った私を立ち直らせてくれた1冊です。
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