国債の真実

経済 読書

「将来世代へツケを残すな!」という人たちに読んでほしい「99%の日本人がわかっていない国債の真実」

2020年8月10日

99%の日本人がわかっていない国債の真実 ―――国債から見えてくる日本経済「本当の実力」

高橋洋一:著

あさ出版

 

ペンギンオヤジ
現在、国の借金(政府債務)は約1,000兆円。これ以上、借金を増やして将来世代にツケを残すな!という人たちがいますよね。でも、本当に国の借金は将来世代の負担になるのでしょうか?

 

そもそも、国はこれ以上の借金をしてはいけないという主張は本当に将来世代のためになるのでしょうか?

 

知っているようで、あまりよく分からない国の借金=国債のことについて少し勉強してみませんか?

 

元、大蔵官僚で現在は大学教授、数量政策学者の高橋洋一氏が書かれた「99%の日本人がわかっていない国債の真実」を読むと、国の借金が必ずしも将来世代のツケではない!ということが分かると思います。

アマゾンの内容紹介

国債暴落、財政破綻…

「情報操作」に踊らされるな!国債から見えてくる日本経済「本当の実力」。

 

・国債は国の借金。

 だから、少なければ少ないほうがいい。

・国債は、発行されればされるほど、

 国民の負担が増える。

 

・国はできるだけ「節約」して、予算を減らすべき。

 

この中に、一つでも「そのとおりだ」と思うものがあっただろうか。

もし、あったならば、

あなたは「一国の経済」というものを、間違って理解していることになる。

 

この本のポイント

  • 国債の返済では財政負担はそれほど大きくはない
  • 国債の利払いの多くは日銀から「国庫納付金」として国に戻ってくる
  • 国が節約して予算を減らし新たな借金も減らすと不景気になる!
  • 国債の発行は借金ではなく将来世代への投資である

国債の利払いはどうやって行われているか?

たくさんの紙幣

「借金を返済する」というのは、借りた「元本」と「利子」の両方を返済することですよね。

これは個人であっても企業であっても同じこと。

 

会社だって銀行から融資を受けたら利息をつけて返済するじゃないですか。

 

国債も借金である以上、利子を付けて返済するのですが、結論から言うと国債の利払いは財政上の負担にはならず、つまり将来世代の負担にはならないのです。

 

日銀からすれば、国債を買い通貨を発行することで利子収入ができる。  そのため、 日銀が得る国債の利子収入を「通貨発行益」 と呼ぶ。国債の利子収入は、通貨を発行することで生じる利益といえるからだ。  日銀はその通貨発行益を丸々国に納める。これを「国庫納付金」 と呼ぶ。  政府から見れば、これは税収以外の収入だから「税外収入」 と呼ぶ。

「政府から日銀へは国債の利子が支払われるが、それは納付金として戻ってくるから、財政上の負担にはならない」

この本によれば、国債の利払いがどうなっているのかを簡単に説明すると次のようになります。

 

(1)日本政府が発行した国債は主に銀行などの民間金融機関が買い取り、その代金が政府に入ります

 

(2)民間金融機関が保有してる国債は日銀が時価で買い取り、日銀は民間金融機関の当座預金口座に振り込みます

 

(3)日銀が買い取った国債の利息は、政府から日銀に支払われます

 

(4)政府から受け取った国債の利息を日銀は最終的に「国庫納付金」として政府に納めます

 

この流れを政府の側から見ると、国債の発行による利息は支払うけれど「国庫納付金」として戻ってくるので財布は傷まない、ということになりますね。

 

それと国債の利払いを考えるときに、もう一つ忘れてはいけないのが、政府が持ってる金融資産。

 

政府の資産は前項で見たように、金融資産が多くを占めているからその利子収入も政府に入る。  じつはこの二つの利子収入で、国債の利払いはまかなえてしまうのだ。

 

政府が持ってる金融資産(出資金、貸付金など)による利子収入があって、これらの利子収入と日銀から国庫納付金で国債の利払いは殆ど賄えてしまうというのです!

 

つまり、国債の利払いに関しては将来世代のツケにはならないということです。

国債の元本はどうやって返済されているか?

札束と国会議事堂

 

政府が支払った利息は回りまわって戻ってくるということが分かったところで、借金(国債)の元本はどうやって返済されているのでしょう?

 

「政府には国債の償還義務があるが、そのために新規国債を発行しているので、財政上の負担にはならない」となる。   借金の利払いも返済も、政府に「支払い義務がない」のではなく、「支払い義務はあるが、財政負担にはならない」。

償還費、つまり借金の元本の返済はどうか。その財源はどうするかというと、民間金融機関に新たに国債を買ってもらえばいい。発行済の国債の償還のために、新たに国債を発行するということだ。  これを「借換債」 というが、前に説明した「建設国債」「赤字国債」同様、政府内での便宜上の呼び分けだ。

 

政府は国債の元本返済のために新たに国債を発行してるのだ。

 

これを「自転車操業」という人もいるかも知れない。

 

だけど、企業だって融資の借り換えのために新たに融資を受けるというのは当たり前のように行われていることだ。

 

「オタクの会社は危ないから、もうお金は貸せません」と銀行に言われたら、速攻で詰んでしまうけど、そうでないなら何の問題もない。

 

これと同じで民間金融機関が国債を買ってくれなくなったら、かなりヤバいが今のところ国債を買いたがってる金融機関は多い。

 

こうして見てみると政府債務(国債)の元本も利息もその返済で将来世代が苦労するという話しはかなりマユツバものじゃないかって思いませんか?

国債の発行を減らすと何が起こるのか?

経済ショック

 

日本の借金(政府債務)は約1,000兆円。1年間のGDPは約500兆円。

 

「稼ぎ」に対して2倍の借金がある!大変だ!これ以上、借金を増やしちゃいけない!

 

・・・こんな話しをどこかで耳にしたことはありませんか?

 

単純に考えれば、借金を増やさないためには(1)収入(税収)を増やす(2)支出を減らす、という2つの方法がありますよね。

 

それじゃ、将来世代にツケを残さないために、支出を減らそうとすると何が起こるでしょうか?

 

政府が使う金は国内に出回るお金だ。 だから、予算が減れば世の中に出回るお金も減る。つまり不景気になる。これが、いわゆる緊縮財政である。 政府が「倹約」するということだ。

 

つまり「国債は借金だからダメ」というのは、「緊縮財政になって景気が悪くなってもいい」、あるいは「増税されてもいい」といっているのと同じなのだ。

 

国債を発行しないというなら、全てを税収で賄わないといけません。税収が足りないなら、増税ってことですよね。そして、増税というのは、世の中からお金を吸い上げることなので不景気になります。

 

そして、借金を減らすために国債の発行を減らすと世の中に出回るお金が減るので、不景気になります。

 

何で世の中に出回るお金が減ると不景気になるか分かりますか?

 

例えば、給料やボーナスが減ったとします。そうすると、あなたは節約しようと考えてあまり物を買わなくなりますよね。

 

こういう行動をみんながやり始めたら、当然のことながら物が売れなくなって不景気になります。そして企業やお店は価格を下げて対応しようとするのでデフレ不況になるというわけです。

国債は将来世代へのツケではなく投資である

地球と街並み

 

時々、水道管が破裂して大騒ぎになることがあるじゃないですか?

 

何でそんなことが起こるのか?

 

老朽化した水道管を交換するのにかかる費用は1キロメートルあたり1億円以上とも言われてます。

 

あまりに多額の費用がかかるので放置した結果、あっちこっちで水道管の破裂事故が起きているというわけです。

 

今の日本のインフラの多くは昭和30年代の高度経済成長期に作られた物が多くて、既に50年以上が経過してボロボロになってきてるんですよね。

 

国債は「国の借金」には違いないが、それは同時に「投資」でもある。

 

将来世代へツケを残すな!と言って、公共事業を減らしてボロボロになった社会インフラを受け取った将来の子供たちは果たして幸せなんですかね?

 

国の借金をこれ以上、増やすな!という人は、国債の発行に借金には「投資」という効果があることを分かってない。

復興増税は正しい判断だったのか?

税金TAX

2011年、東日本大震災が起きたときに復興に必要な費用をみんなで「痛みを分かち合う」というお題目で復興増税が行われましたね。

 

あれって、正しい判断だったのでしょうか?

 

100年に一度、500年に一度、必要なお金なら、100年、500年をかけて返していけばいいのである。これは私だけが勝手にいっているのではなく、「課税の平準化理論」という基本的な経済理論に基づいている。 「痛みを分け合え」というのなら、こちらのほうが、よほど公平な分かち合いとはいえないだろう

 

100年に一度の大災害を現在の世代だけで負担するよりは(復興による恩恵を受ける)将来世代と一緒に痛みを分かち合う方が公平な分かち合いになると、著者は言います。

 

そもそも災害で経済が痛んでいるときに増税をして世の中からお金を吸い上げたら、より不景気になるわけで。そんなことは分かりきってるはずなのに当時の政権が「増税したい人たち」に「みんなで痛みを分かち合いましょう!」と吹き込まれてしまったんですよね。残念です。

感想

感想

この本を読み終えて「将来世代へツケを残すな!」という主張がいかに、将来世代のためになっていないか、ということがよく分かりました。

 

それと併せて「増税したい人たち(主に官僚)」の権益などのために、どれだけ日本経済がダメになったかということも。

 

「借金」と聞くと、どうしても負のイメージが優先して「よくないもの」と思ってしまうじゃないですか。

 

確かに個人レベルで返しきれないほどの借金をするのはダメに決まってます。

 

だけど「半径1メートルの思考で、世の中全体を見てはいけない」と著者がこの本で書いている通り個人の借金と国家の借金を同じレベルで考えてはいけないのです。

 

昨今の流行り病で政府は多額の国債を発行して経済対策を打ちました。

 

しかし、そうした財政出動の反動で「増税が必要だ!」などと言い出す政治家などがいます。

 

そうすると、「国債の発行」→「借金が膨らむ」→「増税が必要」→「国民の負担が増える」という負のスパイラルにとらわれて、ますます「将来世代にツケを残すな」という人が増えそうな予感が・・・

だけど、上の方で書いたように国債の償還(返済)で財政負担はそんなに重いものではないのです。

 

むしろ、こんな時期は国がどんどんお金を出さないと、ますます経済がダメになってしまうのです。

 

問題は、こういう機会に乗じて「増税」をちらつかせる人たちです!(なんで、そんなに増税したがるのかもこの本には書いてあります!)

 

こんな時だからこそ、借金=悪という固定概念を捨てて、国債について知ることで、本当の意味で将来世代のために何をすべきか、何を国に求めるべきなのかを知ってほしいと思うのです。

読むべし!

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