
この「キミのお金は〜」は最初に出版されたものと、続編として出た「令和サバイバル編」の2冊があるのですが、両方ともセール対象になってます。
紙の本は価格据え置き(1,100円)のようですが、電子書籍(kindle)版が各545円になってます!
フェアは8月20日まで!
個人的にこの「キミのお金は〜」が大好きなので、これを機会に一人でも多くの人に読んで欲しいなぁって思ってます。
・・・と言っても、初見の人は「キミのお金?ナニソレ?おいしいの!」って思うかもですよね。
ちょっと簡単に内容について語ってみたいと思います。
目次
「キミのお金はどこに消えるのか」は経済コミック
「キミのお金はどこに消えるのか」(以下、「キミ金」)の著者は「中国嫁日記」の井上純一さん。
「キミ金」をひと言で説明すれば著者と中国からやってきたお嫁さん(月さん)による「経済コミック」です。
経済と聞くと、ちょっと難しそう・・・と思う人もいるかもですね。
でも大丈夫です!
確かに経済「学」的な話も少しは出てくるけど、殆どの話しは生活に密着した経済の話しなので身近に感じられると思うし、分かりやすいと思います。
それに、著者が先生役として月さんに経済のことについて色々と説明するのですが、月さんの反応がとてもストレートというか、生活者目線なんですよ。
それと、「キミ金」はこれまでに2冊が出版されているのですが、ここから先は便宜上、最初に出版された方を「キミ金」、あとから出た続編を「令和サバイバル編」と書きます。
「キミのお金はどこに消えるのか」の面白ポイント
- 日本の財政は実は健全!
- 日銀の役割
- 借金は必ずしも悪いわけではない(信用創造)
- 国の借金は自分が自分に借金してるのと同じ
などの話しが詰め込まれているのですが個人的にオススメなのは「貯蓄のパラドックス」っていう話しです!
「財政再建とか社会保障のために消費増税が必要だ!」っていう人っていますよね。政治家だけじゃなく経済界とか経済学者にもそういうことを言う人がたくさんいます。
だけど著者は言います。
「デフレの日本で「国民の痛みを伴う改革」をやると、かなりの確率で失敗します」
なぜか?
不景気の時に増税する、公共事業を減らす(ムダ遣いしない)、そんなことをしたらどうなるか?
不景気でお金が回ってないのに、余計にお金が回らなくなってしまいますよね。
そして、よけいに経済が回らなくなって、結果として更に借金(国債)を増やすことになってしまうのですよ。
デフレや今の日本のように未曾有の国難(コロナ禍)のときには、国民の痛みを伴う改革などではなくて、政府が率先して借金(国債の発行)をしてお金をばら撒かないとダメなんです!
「国民に必要なのは痛みじゃなくてお金デスヨ」・・・激しく同意デス!
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【経済】「キミのお金はどこに消えるのか」
「キミのお金はどこに消えるのか」井上純一:著
主に日本の経済について描かれたエッセイコミックです。続きを見る
「令和サバイバル編」の面白ポイント
「キミ金」の続編として出た「令和サバイバル編」には、次のようなお話しが描かれてます。
- 給料を上げる方法を考える
- 世界から失笑されてる日本の経済対策
- 個人の貯金は不幸に耐える力
- 経済的不幸は感染症のように広がっていく
そして個人的に一番読んでほしい!と思っているのは「財政的幼児虐待」の話し。
「財政的幼児虐待・・・・?なんだそれ?」ってなりますよね?
簡単に言うと「将来世代にツケを残すな!」って主張してる人がいるじゃないですか。その話しです。
ニュースなどで耳にしたことがあると思いますけど、今の日本の政府債務(国の借金)は約1000兆円ですね。
そして悲しいことに(?)この借金は増え続けてるんですよね。
将来の子どもたちに莫大な借金を残すな!と叫ぶ人たち(の一部)は
「政府はお金を使うな!」「ムダな公共事業をするな」「公務員を減らせ」など主張するのですが・・・・
結果的にお金が出回らなくなって景気が悪くなり、将来の子供を守るつもりが、子供自体が生まれなくなってしまったのです。
そして、数少ない子どもたちに残されたのは崩れそうなトンネルや橋、劣化した水道管、先生のいない学校など・・・
そして著者は言います。
「もうやめよう、ありもしない未来のために現在を犠牲にすることを」
この「令和サバイバル編」では経済弱者へのバッシングが、どんなひどい未来を引き寄せてしまうかということが何度も描かれてます。
詳しくは本を読んでほしいのですが、経済弱者を切り捨てたり、公共事業を必要以上に減らすことで社会はどんどん不安定化していくことをこの本は教えてくれます。
「キミ金」が「令和サバイバル編」か迷ったら、私のオススメは断然「令和サバイバル編」です。
最初よりも続編の方が説明の仕方がうまくなってきてるし、扱われてる話題も身近なものが多いので、より共感できると思います。
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【経済的不幸は感染症のように広がっていく】「キミのお金はどこに消えるのか 令和サバイバル編」
「キミのお金はどこに消えるのか 令和サバイバル編」井上純一:著
今回はこの本の中から保険、貯金、社会保障は個人のためのものであると同時に社会全員を経済的不幸から救うものであるということについてまとめてみました。続きを見る
マクロの視点を手に入れよう!
ある本を読んでいたら経済学者が「「半径1メートルの思考で、世の中全体を見てはいけない」って書いてあって、本当にそのとおりだなぁって納得してしまったことがありました。
経済を考える時って、ついつい個人レベルの感覚で物事を考えたり、判断してしまうと思うんですよね。
だけど、個人レベルではダメな話しでも世の中全体のマクロの視点で考えると大事だってことあるんですよ。
例えば借金。
借金はよくない、あるいは、借金はできれば無いほうがいいって思いますよね?
だけど社会全体で考えると、借金って必要なものなんですよ。
「キミ金」の中に「信用創造」って話しが描かれているんだけど、そこにはこんな一コマがあります。
「あなたの持ってるお金は必ず誰かの借金です」
意味分かんないですよね?
簡単に説明すると、
・Aさんが銀行に100万円を貯金します
・次にBさんが銀行から70万円の借金をしました
・銀行はAさんの100万円の中から70万円をBさんに渡しました
・Bさんは30万円の買い物をしてCさんに代金を支払いました
この場合、Cさんが手にした30万円はBさんの借金ですよね。
そして、もっと注目してほしいのが、お金が増えているという点です。
・Aさんの貯金通帳には100万円が記帳されてます
・Bさんの手元には40万円が残ってます
・Cさんの手元には30万円があります
元々は100万円だったお金が170万円に増えてますよね。これが「信用創造」ってやつです。
個人レベルで返せないほどの借金をするのはダメだけど、社会全体に出回るお金を増やすためには借金は必要なものなんです。
こんなふうに半径1メートルの視点だけで世の中全体を見てると、判断を間違うことがいっぱいある。
「公共事業を減ら!」「公務員を減らせ!」「貧困は自己責任」っていうのもマクロの視点で見たら、間違ってることが多い。
今、コロナで世間が大変なことになってますよね。経済も傷んでるし、職を失った人だっている。
それなのに!
色々な手当をしたことで国の財政が逼迫してる!増税しなといけない!と言ってる人たちがいます。
この不景気のさなかに、そんな増税論議がどれだけ愚かで間違っているかが、この本を読むと分かります。
ぜひ、この機会に「キミ金」「令和サバイバル編」を読んでマクロの視点を手に入れてみてはどうでしょうか?
お金のことを知ることが明るい未来へと向かう第一歩になると思うのです。