[st-kaiwa1]最近になってまた「PCR検査しろ!」との声が大復活してきてる気がしない?
私は医療関係者ではないので、このタイミングでどれだけの検査数が必要なのかは正直よくわからない。
だけど、一つだけ言いたいのは「検査は万能じゃない」ということ。この前提が共有されてないと、個人も社会も大いに不利益を被ることになるんじゃないかと思うんだよね。[/st-kaiwa1]
検査で「問題なし」だったのに癌の再発転移が見つかった!
PCR云々の前に少しだけ私の体験談を。
舌がん・ステージ3の手術を受けてから約1年後のこと。
経過観察で1か月に1、2回の外来受診で病院に行って、その日は血液検査を受けたのです。
採血を終えて、診察室に入って、ドクターから「問題ありませんでしたよ」と検査結果を伝えらました。
いつもなら、そこで「やれやれ、良かった、良かった」と安心するところですが、この日はちょっと違ってた。
数日前から首すじに小さなしこりみたいなものが出来てることが気になっていたので、ドクターに「ここをちょっと診てもらえませんか?」とお願いしたのです。
触診されて、別の日に改めて検査(生検・・・針のようなものを使って細胞を採取して調べる検査のこと))ということなり、結果的に癌の再発・転移が見つかったのです。
癌が再発転移していたのに、血液検査では見つけられなかったんですよ。
あとあとドクターに聞いた話しですが、血液検査だけでなくCT検査でもPET検査でも、どんな検査をやっても100%がんが発見できるわけではないそうです。
私が「検査は万能ではない」と思っているのはこのときの体験があるからです。
でも検査が無意味というわけではない
でも、だからと言って検査が無意味というわけではないですよね。
お医者さんも検査が100%ではないということが分かってるから、症状を診て、あたりをつけて時には複数の検査を組み合わせて、病気を見つけてくれてるわけです。
(このへんはお医者さんではないので、何とも言えない部分ではあるけど。。)
少なくとも、血液検査ではスルーだったけど生検ではちゃんとがんが見つかったわけですから検査に意味はあるのです(誤解なきよう)
きっと大切なのは、症状や既往症、年齢などを考慮したうえで適切な処置(治療)をすることで、検査はそのための一つの手段でしかないと思うんですよね。
問題を単純化するのは超危険!
分かりやすさだけを追求すると、問題を単純化しすぎて視聴者をミスリードするリスクがあるのです。(中略)国家の経済を「家計」に例えるパターンなどはその最たる例だと思います。
しかしいま、メディアが伝えるニュースには「省略」「言い換え」「単純化」があまりに多く、大事な視点や論点が見落とされ、省かれ過ぎていると感じます。
出典:「「反権力」は正義ですか―ラジオニュースの現場から―」(新潮新書)飯田浩司:著
池上某さんのわかりやすいニュース解説が人気のようですが、わかりやすさを求めるあまりに問題を単純化したりすると、大切なことが切り捨てられて誤った理解を生んだりしますね。
例えば「PCR検査をもっとやれ!」→偽陰性の問題はどうなった?そもそも感染者を隔離する病床や医療従事者の数は足りてるの?
確かに他の国々と比べて日本の検査数が少ないけど、それはPCRの前にCT検査であたりをつけてるという側面もあるでしょ(日本は他国よりも圧倒的にCT検査機を持ってる!)。
もちろん、医師が必要としてるのに検査ができない、いわゆる「目詰まり」は早々に解消して欲しいと思うけど、他国と比べて単純に検査数が少ないから、もっとやれ!という話しはあまりにも短絡的な感じがして違和感があります。
まとめに代えて・・・もっと日本の医療を信用してもいいと思う
検査は万能ではない。
万能ではないが、100%ではない検査の余白を埋めてくれているのが、お医者さんの診断であり経験だと思う。
そして、お医者さんが症状や既往症、年齢などから必要な検査はやってくれるのだから、いたずらに不安になる必要はない。
それと、検査が必要かどうかを決めるのは、外野ではなく実際に患者さんを目の前にしてるお医者さんだ。
外野が何と言おうと、新型コロナウイウルスへの対応として日本は欧米各国と比べてダントツに人口当たりの死亡者数を少なく抑え込んでいるのだ。
外野が無責任に不安を煽っても、それに惑わされずに日本の医療をもっと信用していいと私は思う。
(蛇足)
ワイドショーは原点に立ち返って、このさい「小池都知事のお洒落マスクあれこれ」とか「村井宮城県知事のむすび丸マスクの秘密」という企画でもやればいいと思う。
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