いますぐ書け、の文章法

読書

【踊りながら書け!】「いますぐ書け、の文章法」堀井憲一郎:著

2019年11月15日

「いますぐ書け、の文章法」
堀井憲一郎:著
ちくま新書

 

ときどき道ばたでギターなどを弾きながら歌っているストリートミュージシャンを見かけることってありますよね?

 

そういう時、足を止めて耳を傾けますか?それとも、そのまま立ち去る?

 

まぁ、たいていの方はそのまま立ち去りますよね、たぶん。。

 

どこの誰かも知らない人の歌に耳を傾けるほどヒマじゃない。。

 

なんで、こんなことを書き出したかというと、ストリートミュージシャンと雑誌の記事を書いているライターって似てると思ったからです。

 

この本の著者、堀井憲一郎氏はフリーライターで、本書の内容から察するに週刊誌の記事を多く手がけたことがあるようです。

 

週刊誌をパラパラめくると、著名人が書いているコラムがありますよね。あれは読む側もたいてい書いている人が誰か知っているから、「どれどれ・・・」と目を通すことがあると思うんです。

 

だけど、誰だか知らない人が書いている記事も週刊誌にはたくさんありますね。

 

そういう記事は、面白くないと読まれない。とりあえずテーマや見出しに興味を持ち、読み始めたとしても、つまらなければ直ぐに飛ばされてしまう。

 

だから週刊誌の無名のライターさんが書く文章は、なんとか読者の足を止めて、読んでもらって面白いと思ってもらわないといけない。

 

そうでないと、仕事になりませんからね。

 

この本は、そんな厳しい環境の中で文章を磨いてきた著者が、どういうことを考えて文章を書いてきたのかを知ることができる1冊です。

 

アマゾンの内容紹介

文章はほめられたいから書くのか? 人気コラムを連載し続けてきた著者が、プロとアマの文章の違いを語り、書けずにいる人の背中を強く押す、実践的文章法。

何といっても刺激。刺激的タイトル

二つの電球

 

読ませる文章を書くためには、まずはタイトルがとても大切。

 

このことは既に多くの本などに書かれていることなので、とくに目新しい話ではないと思います。

 

でも、「とにかく読者の興味をひくようなタイトルをつけよ!」といわれても、具体的にどうしたらいいのかまで書いている本は案外と少ないような気がします。

 

この本ではタイトルの付け方について、いくつか「なるほど!」ということが書かれています。

 

見出しは「逆説」がいい。

予想しない論理展開を見せるものを、逆説と呼んでいる。

(中略)

雑誌の見出しには逆説を多く見かける。

「痩せたいなら、思いっきり食べろ」

「デブで汗っかきがモテる時代が来た!」

「日本は世界から孤立したほうがいい」

「八百長がスポーツを発展させる」

 

こういう逆説のタイトルについて著者は「怪しい商品のキャッチコピー」のようだと書きつつも、「ひたすら真面目に作ってたって、存在に気付いてもらえないと、意味がない」と綴っています。

 

ストリートミュージシャンも、無名のライターもまずはお客さまに立ち止まってもらえないと何も始まらない。まずは立ち止まらせろ!話はそれからだ!というわけですね。

 

そういえばライター講座の受講生には、タイトルをだいたい疑問形に従っていたけれど、疑問形のタイトルをつけると、ほとんど誰も相手にしてくれないから気をつけたほうがいい。おや、何だろうとおもわせることと、タイトルを疑問形にするのは何も関係ないから。

  • 「無線イヤホンが「がん」の原因になるというのは本当か?」
  • 「舐めるだけのジェルの気になる実力とは?」
  • 「家に住んだまま家をお金に変えられる?!」

 

今、スマートニュースを開いてみたら、こんな疑問形のタイトルが見つかりました(他にもあった)。

 

確かに疑問形のタイトルはちょくちょくネットでも見かけますよね。「誰も相手にしない」かどうかは、よく分からないけど、個人的にはちょっと安易な感じもします。

 

疑問形・・・確かに自分でブログのタイトルを考えるときには便利なんですけどね。

 

きちんとした文章であるなら、必ずタイトルをつけることができる。そしてそれは、誰がつけてもだいたい同じ方向性のものになる。これは優れた文章の特徴だ。優れた文章とは、一つのことだけをわかりやすく書いていて、ストレートに言いたいことが伝わってくる。

逆にタイトルがつけにくいのは、いろんな要素が入っているからで、それが“わかりにくいぶんしょう”の典型です。タイトルをつけやすいのがいい文章。

 

これを読んで「あぁ、なるほど!」って思いました。

 

タイトルがうまくつけられないというのは、いろんな要素が入ってしまっていて、要するに「で・・・、何が言いたいんだよ?!」という文章になっているということですね。

 

「あれも書きたい!これも書きたい!」症候群の私がブログのタイトルがイマイチなのは、それが原因だったのか!

 

《まとめ》

・見出しは予期しない論展開の逆説がいい

・疑問形のタイトルは、ほとんど誰も相手にしてくれない

・タイトルをつけやすいのが、いい文章

文章を書くことはサービスである

芸術家芝犬

文章を書くことは、サービスである。

読む人のことを考え、ゆきとどいたサービスを届けないといけない。

 

「読む人のことを考えて文章を書け」・・・うーむ、当たり前であるような、ないような。。

 

個人でブログなんかを書いていると、自分が書きたいことを書いて、それを受け止めてほしい!と思ってる人っていますよね。その典型が私ですが・・・(ダメじゃん、自分!)

 

そういう自己満足を追求している書き手に対して、著者はこんなふうに言います。

 

「自己表現をしたい人は文章書きになれない」

もちろん、文章は自己表現のひとつです。でもその表現方法に工夫がなく、ただストレートに聞いて欲しいというわがままな自己表現では、ほとんど誰にも読んでもらえない。

読んでくれる人はさほど自分に興味がないという事実を冷静に受け止めて、自己表現の前に、向こうを読む態勢にする工夫をすることだ。

 

自分しか読まない(はずの)日記を書くならともなく、ブログでもSNSでも、他人に「読んでもらう」ための文章を書くなら読者視点というか「お客さま目線」を常に考えて文章を書かないとダメってことです。

 

 

そう、読者へのサービスがが必要なのです。日本人がお得意の「おもてなし」。

 

自分の書きたいように書いて、読んで欲しいのなら宇多田ヒカルや星野源になってから・・・ってことですね。

 

それじゃ、どういうサービスを提供すればいいのか?

 

どういう文章を人はおもしろいとおもうのか。

「知らなかったことを知る」

そのとき、人は面白いとおもう。

知らなかったことを知ったときに、人は、何かが変わった感じがする。(中略)

だから、おもろい文章とは、読んだ人が何か変わったと感じる文章ということだ。

「文章を書くのは、人を変えるためである」

 

人を変えるために文章を書く・・・そんなにハードルを上げられると「どうすれば・・・」と途方に暮れたくなるが、著者によればそれほど難しく考えなくてもいいらしい。

 

「唐揚げを簡単に、おいしく揚げる方法」でいいのである。

 

人って、「自分が知っていることは他の人も知ってる」と思いがちじゃないかと思うんですよね。

 

「あるある」なのが、自分の家では当たり前のことが他の人の家では、ぜんぜん当たり前じゃなくて友人に話したら、驚かれたっていう話が時おりネットで話題になったりしますよね。

 

そういう身近な話でも人は面白いと思ってくれるんですね。

 

もっとも、当たり前すぎて「だから何?」ってなるリスクもあるので、書く前に友人とかにリサーチしておいたほうが良いかもですが。

 

《まとめ》

・文章は読む人のことを考えて書く

・自己表現する前に、読者に読みたいと思わせる

・読者は知らなかったことを知ったときに、面白いと感じる

・文章は人を変えるために書く

踊りながら書け!

踊るパンダ

文章を書き始めると、書き手には制御できない。

文章は暴走する。

いま、この瞬間にたまたまおもいついたことを大事にして、それを書く。

書く前に考えていたことだけを書いた文章は、失敗である。

 

なんとなく筆が重くて、なかなか書き進められなかった文章が、何かのきっかけに筆が走り始めて、できあがって読み返してみると、自分でも書く前に予想もしていなかったような内容になっていることってありませんか?

 

私は時々あります。

 

いわゆる「文章術」について語った本の多くは、事前に書く内容を整理せよ!そして、論理整然と読み手に伝わるように文章を組み立てるようなことを語っています。

 

だけど、この本では著者は「書く前に考えていたことしか書けない文章は失敗である」といいます。

 

理由は、頭脳が制御して書いた文章は、面白くもなんともないから。

 

論理的な文章って、基本的には当たり前のことが結論づけられることが多いので、面白みに欠けると、勝間和代さんが昔、何かに書いていました。

 

だから、読者にサービスするためには(読んでいて面白いものを書くためには)、文章が暴走することが大事だと。

 

それと、著者は「文章は身体から絞り出されるものだ」といいます。

 

そのためには、動いて書け!踊りながら書け!と。。

 

一見、ムチャクチャにも思えるこの話も、著者の実体験に基づいた話を読むと妙に納得してしまいました。

 

こういう話が、この本の後半でたっぷり語られていて、それこそがこの本の「読みどころ」だと思うんですよね。

 

なんとしても!!

 

ページをめくる手を止めさせて、

 

読者に読んでもらって、

 

面白いと思ってもらう。

 

こういう意識で書かれている点が、コンサル系の人が書いた文章術の本とは違うところではないかと思う。

 

コンサル系の人って、「自分の主張を曲げてでも、読者に楽しんでもらう」とは書かないでしょ?

 

《まとめ》

・文章は暴走する

・頭だけで考えた文章は、面白くもなんともない

・文章は身体から絞り出されるもの、踊りながら書け!

感想

 

まとめ

タイトルに「文章法」とありますが、文章を書くための具体的なノウハウの解説は少なめで、文章を書く前の意識や考え方について著者の考え方をまとめた1冊になってます。

 

とにかく徹底的に「読者のことを考えて書け!」ということが書かれています。

 

それと、文中に「文章を書くときには「強く書く」ということを意識しなければならない」「文章末に「思う」という言葉は極力つけないほうがいい」ということが書かれています。

 

要は、断言せよ!ということです。

 

だけど、私を含めて断言を避け、自己主張をさけるために、無意識のうちにも文末に「思う」と書く人は、多いのではないでしょうか。

 

「なぜ、断言できなのか?」という問いに対する著者の意見は、ちょっとした社会批評にもなっていて、読んでいて面白かったです。

 

「文章を書くことは、自分を“さらす”ことだ」という言葉に、著者の文章を書く者としての「覚悟」を感じたのでした。

 

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