●「武器としての書く技術 30万人に届けて月50万円稼ぐ!新しいマル秘文章術」
●イケダハヤト:著
●中経出版

ネットでバズるような記事が書きたいなぁ
今や多くの人がネットで情報を発信するようになりました。しかし、読まれる記事、話題になる記事はその中のほんの一握りだけ。
せっかく手間ひまをかけて書いた記事なのですから、少しでも多くの人に読んでもらいたくないですか?
今回ご紹介するのは「武器としての書く技術」
著者はイケダハヤト氏。ネットをやってる人なら、名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?
この本で語られている「文章術」は従来のものとはちょっと違っていて、ネットで発信する文章を書くときに必要なテクニック、コツについてまとめられています。
「武器としての書く技術」はこんな人におすすめ
- ブログやnoteの記事がうまく書けない
- これからネットで情報を発信していきたい人
- せっかく記事を公開してもあまり読まれない
この記事で分かること
- 「Web時代の文章術に必要な4つの力」についてのまとめ
- 1章「文章が残念な人の10の特徴」の要約
- 2章「凡人の文章を最強の文章にかえる10の魔法」(記事タイトルの付け方)の要約
この本で得られる知見
- 文章術の基本がわかります
- ネットで読まれる文章を書くコツやテクニックがわかります
- ネットで(ブログで)稼ぐ方法がわかります
- 「書く」ことで自分の人生を変えることができる可能性を感じられます
- 「書く」より以前に大切なことに気づかされます
アマゾンの内容紹介
今の時代は「ネットでモノを売れる」人が生き残る時代でもある。
本書では月間30万PVを誇るブログを運営する「プロブロガー」イケダ氏が「稼ぐための書く技術」を惜しげもなく披露。
何を書けばいいか、どう書けばいいか、書き続けるにはどうすればいいか、それを広めるにはどうすればいいか。
人を動かす書く技術は、これからを生き抜くための必須能力なのだ。
著者のプロフィール
1986年生まれ。中学時代に個人ニュースサイト「nubonba」を運営し、月間30万アクセスを獲得。ソフトバンククリエイティブの月刊誌「ネットランナー」にてネット上の面白コンテンツを紹介する連載を4年間執筆。大学卒業後、大企業に就職するが11ヶ月で転職。ソーシャルメディアマーケティング支援会社トライバルメディアハウスにてソーシャルメディアマーケティングコンサルティング事業部を立ち上げ。2011年4月より独立し、講演・執筆活動を中心に行なっている。
Web時代の文章術に必要な4つの力
この本が他の文章術の本と一線を画する点はWeb時代に必要とされる文章術に焦点を当てているところです。
紙媒体向けに文章を書くのとSNSやブログ、noteで発信する文章とでは書き方が違うのです。
なぜなら・・・
ウェブ時代のお客さんは暇ではありません。仕事も忙しいですし、常に無数の情報にさらされています。(中略)少しでも読む価値がないと判断されれば、あなたの文章などには目もくれません。
ネットには無料で読める記事や情報がたくさんあります。そのうえ、読み手はサクッと読めてサクッと必要な情報を知りたいと思ってるわけです。
少しでも読みにくかったり、つまらなかったらサッサと離脱して次の情報へと移っていってしまいますよね。
だからこそ、ネットで発信する文章には従来とは違った文章の書き方が求められるのです。
この本の冒頭では、Web時代の文章術に必要な4つの力として以下の4点について語られてます。
・コピー力
・引きつけておく力
・リピートしてもらう力

現代人は暇ではありません。時間がない。自分が読むべき文章かどうかは、1秒に満たない時間で判断されます。そこで必要なのがコピー力です。
目の前にお客さんが来てくれても、すぐに帰ってしまっては意味がありません。読み始めてもらったら、最後まで読んでもらえるようにしなければいけません。(中略)長い文章であっても「次に何が書いてあるのだろう」。「この先が気になる」、そう思わせながら読んでもらわなければなりません。
身銭を切って買った本なら、多少の点については目をつぶって我慢して読んでくれるかもしれませんが、ネットではつならなかったらさっさと離脱されるのがオチです。
それに、そもそも先ずは数ある記事(情報)の中から「面白そうだから読んでみようかな」と選ばれなければ何も始まりません。
それだけに「コピー力」や「引きつけておく力」は大切ですよね。
文章が残念な人の10の特徴
世の中には残念な文章というものがあります。(私もそんな文章を日々、作り出してるわけですが。。。)
読みにくかったり、つまらなかったり、そもそも何がいいたいのか意味不明だったり。。
1章ではそんな残念な文章の特徴について以下の10点についてまとめられています。
・文章が長い 一文が長い
・同じ語尾が続く
・抽象的すぎる
・私的すぎる
・「〜だと思います」「〜な気がします」が多すぎる
・多方面に気を使いすぎて何が言いたいかわららない
・まじめで優等生
・最後まで読まないと結論がわからない
・そもそも内容がつまらない
この中で特に印象に残ったのは「「〜だと思います」「〜な気がします」が多すぎる」というところ。
あなたがこれから書こうとする文章も多くの人に届かせたいのであれば、味つけは濃い目でちょうどいい のです。 そこで気をつけたいフレーズが「〜だと思います」「〜な気がします」「かもしれません」という弱気ワードです。
「思います」「気がします」「かもしれません」・・・実際、わたしもよく書いてます。
だけど、文章を書くなら弱気になるな!断言せよ!というのです。
例えば
他人の気持ちを考えない人は仕事もできない人だと思います。
この文章は次のようにして「言い切る」
他人の気持ちを考えない人は仕事もできない人です。
でも、断言すると「それは違う!」という反発を受けたりしそうじゃないですか?
私なんてそれが怖いから、わざわざ「思います」として態度を曖昧にしてたりするのですよ。
しかし、著者は言います。
「断言するな!」などの批判が来たらこっちのものです。少なくとも読者の感情を動かした意味のある文章を書いたことになるわけです。
あなたの言いたいことは思ったほど伝わらない。表現はちょっと強めくらいでちょうどいいのです。心からそう思うのなら、言い切っちゃいましょう。言い切れないようなことは、言う価値もありません。
なるほどね、って思いました。
たかだか語尾をどう結ぶか、という問題も突き詰めて考えると、その人の生き方、考え方にたどり着きます。
それと同時に、なぜ自分は文章を書くのか?という根本的なことまで考えさせられます。
凡人の文章を最強の文章にかえる10の魔法
1章では残念な文章についての説明が語られていました。
つづく2章では普通の文章をさらに強くする10のスキル、コツについて解説されてます。
ここでもWebの時代に必要な伝染力(口コミ、話題性)を意識して文章を書くコツについて語られています。
・読書の思考を先回りする
・記事のタイトルを工夫する
・人目を引きやすいマジックワードを文章に混ぜる
・ワンテキスト・ワンテーマの法則
・リズムのよい文章を意識する
・半径3メートル以内の言葉を使う
・ひらがなとカタカナ、漢字のバランスに気をつける
・ネットでウケる文脈を意識する
・名言などの引用を混ぜてみる
ネットで記事を読んでもらうためには先ずタイトルが大事になります。
本書の冒頭に書かれてる「コピー力」が必要なわけですが、具体的にどんな点に気をつければよいのでしょう?
ここでは読まれるタイトルに必要な3つの点について要約します。
1,数字を強調する
まず、「数字」はそれだけで情報に具体性を与え、注目を集める効果があります。
たとえば「たくさん人前で話してわかった、プレゼンにおける学び」とするよりも、「年間100回近く人前で話してわかった、プレゼンにおける5つの学び」としたほうが、具体性も高まるしインパクトもありますよね。
2,役に立つ情報であることを示す
タイトル作成のテクニックの 2 つ目は「役立つ情報であることをタイトルで示す」ことです。 まずわかりやすいのは、「お金」を絡ませること。(中略)同じく、「節約」「お得」 も人の目を引くための効果的な手法です。
例としては「あなたにもできる!ブログだけで年間50万円を稼ぐ方法」とか「振込手数料無料の銀行まとめ(私はこれで年間1万円節約できました)」という感じです。
また、お金の話ではなくとも仕事や趣味の領域で役立ちそうな情報を提供するのもありです。
「営業マンなら知っておきたい、仕事に使える心理法則まとめ」
「業務効率化!フリーランスなら使っておきたいスマホアプリ10選」
記事の中身はもちろんのこと、タイトルでも「役に立ちそうだ」と思ってもらえることが重要です。読む、読まないの最初の判断はタイトルで決まるのだから。
3,タイトルはなるべく短く簡潔に表現する
最後に技術的な話として、基本的にタイトルは短い方が望ましいです。
(中略)Googleの検索エンジンでは、タイトルは 32 文字しか表示されないからです。
ググったときに表示される検索結果。タイトルの最初の32文字しか表示されずそれ以上は「・・・・」ってなるんですよね。
長いタイトルをつけてしまうと、検索されたときに記事の内容が伝わりにくくなってしまいます。
ほかに、ツイッターで記事を拡散しようとするときに140字の制限があるので、長いタイトルと記事のURL、それだけで制限いっぱいになってしまいかねません。。
感想

これから書くことは「文章術」というテクニカルな話しではなく、もっと著者であるイケダハヤト氏の人物像に触れる小説的な話しです。
当たり前のことだけど、1冊の本には著者の人柄が滲み出るものですよね。
「他の誰にも話したくならないような文章はこの世に生まれた意味がない」とズバズバと斬りかかってくる反面で「優れた物書きは、 世の中の割り切れなさに延々と向き合い、自分なりの答えを見つけつつも、断定的に語ってしまう自分に違和感を抱き続ける人」だとナイーブなことを書いたりする。
ブログで稼ぎたい!と思ってる人に対して「「ブログで食っていく」というのは、難易度的にいえば「プロスポーツ選手として食っていく」くらいのものだと思います」とクールに現実を伝えつつも、ブログでくじけた人に対しは「途切れたら再開すればいいのです。続けるための方法は「再開すること」」と優しく寄り添ったりします。
ズバズバと鋭い言葉で斬りかかっていけば、そりゃアンチも増えるだろうし、炎上もする。
他方でナイーブで繊細、人の心に寄り添う優しさというギャップに魅力を感じてファンになる人もいるんだろうなぁ、と妙に納得してしまいました。
何を隠そう、わたしもこの本を読み終えてから著者のツイッターをフォローし、You Tubeの動画を見るくらいのファンになりました。
この本の魅力をあまりうまく伝えられませんでしたが、特にブログやnoteなどを書いている人だったら読んで損なし!です。
この本が出版されたのは7年前。それでも、いまだにこの本が輝きを失わないのは、単なる文章術の本でもなければ、ネットでの稼ぎ方を指南した本でもなく、「書く」「伝える」という本質的なことを語ってるからだと思う。
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