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【読書】「影響力の武器」第1章 ぜんぜん売れなかった宝石が2倍の値段で完売したわけ

⚫︎「影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか(第三版)」

⚫︎ロバート・B・チャルディーニ:著

⚫︎誠信書房

ペンギンオヤジ
ロングセラー「影響力の武器」第1章についてまとめてみました

よく「悪用厳禁」という文言付きで紹介されることが多いこの「影響力の武器」は超ロングセラーなので、読まずとも書名くらいは見聞きしたことがある人は多いのではないでしょうか?

 

内容を思いっきり簡単にまとめると、セールの場などで「なぜ人はYesと言ってしまうのか?」について、科学的知見やエピソードをもとに人間心理について書かれている1冊です(←ぜんぜんひと言じゃない!)

 

ロングセラーになるくらいですから、内容も面白いのですが、いかんせん分厚い!

 

厚さ、3.3cm、ページ数は475ページ!

 

そこらへんの200ページそこそこのビジネス本とは見た目の格が違います。

 

それだけに、読むのをちょっと躊躇してしまう人が多かも・・・です。

▲分厚い!!!

 

でも、読んでみれば人間のクセというか心理が描かれていて、「そうそう!」とうなずいたり、「そうであったのか!」と目からウロコがこぼれ落ちたりして、とても面白い内容が詰まってます。

 

あまりに面白いので、1回の記事で全部を紹介することはできそうにないので、何回かに分けてこの「影響力の武器」を語ってみたいと思います。

 

アマゾンの内容紹介

セールスマン、募金勧誘者、広告主など承諾誘導のプロの世界に潜入。彼らのテクニックや方略から「承諾」についての人間心理のメカニズムを解明。情報の氾濫する現代生活で、だまされない賢い消費者になると共に、プロの手口から人を説得するやり方を学ぶ。

 

「影響力の武器」について

この際、正直に打ち明けてしまうことにします。私はこれまで、じつにだまされやすい人間でした。

 

この本の「まえがき」は、こんな一文から始まります。

 

著者のロバート・B・チャルディーニ氏は、販売員や募金活動員にいいように丸め込まれたり、行きたくもないパーティーのチケットを買わされたりしていたことを打ち明けます。

 

つまり、ひと言でいえば「いいカモ」だということです。

鴨ネギ

 

そんなカモおじさんが「どんな要因によって人は要求を受け入れるのか?」「相手から承諾を引き出すテクニックにはどんなものがあるのか?」そんな承認の心理ついて研究を始めます。

 

そして研究の結果、セールスマンなど説得のプロが使う6つのテクニックについて解説したこの「影響力の武器」が生まれたというわけです。

ポイント

【人を動かす6つの原理】

  • 返報性
  • 一貫性
  • 社会的証明
  • 好意
  • 権威
  • 希少性

第1章 影響力の武器

 

第1章では【人を動かす6つの原理】について解説する前に、いわばプロローグ的に「人の行動は規則的で盲目的な機械的行動パターン」であることについての解説が書かれてます。

 

「カチッ・サー」で人は動き出す

1974年、ある動物学者が次のような実験を行いました。

 

七面鳥の母鳥に対してイタチの剥製を近づけていきます。

 

イタチは七面鳥にとって天敵です。普通ならば、イタチが近づいてくると七面鳥は激しく攻撃を仕掛けます。

 

しかし、この実験ではイタチの剥製のなかに小さなテープレコーダーを埋め込み、そこから七面鳥のヒナ鳥の「ピーピー」という鳴き声を流して母鳥に聞かせました。

 

すると、母鳥は攻撃をするどころかイタチの剥製を自分の羽の下に抱きこんだのです。まるでヒナ鳥を見守るかのように。

 

しかしテープを止めると、母鳥は我にかえったようにイタチへの攻撃を始めました。

 

この実験でわかったのは、七面鳥の母鳥はピーピーというヒナの鳴き声によって、行動しているということです。

 

この実験結果について、本書では次のようにまとめられています。

 

「カチッ」とボタンを押すと、その場面に適したテープが動き出します。そして、「サー」とテープが回って一定の標準的な行動が現れるのです。

 

「カチッ」とボタンを押す=母鳥にピーピーというヒナ鳥の声を聞かせる

 

「サー」とテープが回り出す=ヒナ鳥の世話をする

 

このように「カチッ」というきっかけと、「サー」という決まった行動パターンが結びついていることを「固定動作パターン」と呼び、そのきっかけとなるスイッチを「刺激信号」と呼びます。

 

こうした固定動作パターンは、何も七面鳥に限った話しではなく私たち人間もまた同じように、ある情報に対して機械的に反応して行動してしまっているといいます。

ぜんぜん売れなかった宝石が2倍の値段で完売したわけ

アリゾナのとある宝石店での出来事。

 

店のオーナーはなかなか売れないターコイズ(トルコ石)をなんとか売りさばこうと、お客さんの目につきやすいところに陳列をしたり、販売員にもっと積極的にオススメするように指示をしたりしました。

 

しかし、結果は変わらず。

 

オーナーの女性はとうとう頭にきて「全部、価格を1/2にして!」と殴り書きしたメモを主任に残して出張に出てしまいました。

 

数日後、出張から戻ってきたオーナーは驚くべきことを知ります。

 

メモを受け取った主任は殴り書きされた「1/2」を「2」と読み間違えて、なんと全品を最初の2倍の価格で売り出してしまったのです。

 

それなのに宝石は完売!

 

これは「高価なもの=良質なもの」と考える人が多いことを物語っています。

 

品質の良いターコイズが欲しい!しかし、詳しいことは分からない。

 

そんな時に人は、この「高価なもの=良質なもの」という基準に従って行動してしまうのです。

神さま、仏さま、専門家さま!「機長症候群」

 

アメリカ連邦航空局によると、多くの航空事故は、機長が犯した明白なミスをほかの乗員が正せなかったために発生していると報告しています。つまり、機長の致命的なミスについて、他の乗員はそれが本人にとって重要な問題であるにもかかわらず、「専門家がそう言うなら、正しいに違いない」というルールを適用したがために、対応せず放置してしまったのです。

第二次大戦中のこと。

 

伝説的な空軍大将と同乗することになった副操縦士のお話し。

 

離陸の際、大将は軽く歌を口ずさみながら時おり歌に合わせて首を上下に軽く振っていました。

 

しかし、その様子を見た副操縦士はそれを「車輪を引っ込めろ!」という合図だと勘違いをしてしまいます。

 

まだ離陸速度に達していないにもかかわらず車輪を引っ込めてしまったため、機体は滑走路に叩きつけられ重大な事故を起こしてしまいました。

 

このような、一見すると「愚か」と思えるような反応について、本書では次のように分析しています。

 

たとえば「専門家がそう言うなら、正しいに違いない」というルールについて考えてみましょう。(中略)私たちの住む社会には、権威がありそうな人の言うことや指示を盲目的に受け入れてしまうという、すこし不安な傾向があります。

 

つまり、専門家の発言をよく吟味した上で同意したり同意しなかったりするのではなく、「専門家という肩書き」があるだけで、発言の内容など問題にせず、ただただ納得して同意してしまうことが多いのです。

セールスマンも使ってる!知覚のコントラスト

 

人間の知覚にはコントラストの原理というものが働いており、順番に提示されるものの差異を私たちがどのように認めるかに影響を与えます。簡単に言うと、私たちには、2番目に提示されるものが最初に提示されるものとかなり異なっている場合、それが実際以上に最初のものと異なっていると考えてしまう傾向があるのです。

例えば、紳士服の販売店にスーツとセーターを買いに来たお客さんがいたとします。

 

この場合、スーツとセーター、どちらを最初に見せたほうがいいでしょうか?

 

多くの場合、販売店では先にスーツを買わせるように店員を指導します。

 

先に高価なスーツを見せておけば、次に見せるセーターはどれほど高価なモノであっても、比較するとさほど高くないように感じるからです。

 

車のディーラーでも同じようなことが起こります。

 

最初に車の値段を決めてから、次から次へとカーオーディオなどのオプションを勧めるの同じやり方です。

 

セールスマンがもっと多くの利益を上げようと思うなら、高価な品を先に見せるべきです。そうしないと、コントラストの原理の影響力を利用できないばかりでなく、その原理のせいで商売がやりにくくなってしまいます。安い商品を最初に見せて次に高い商品を出すと、客はそれを一層高価に感じてしまうのです。

まとめと感想

 

この第1章では、冒頭に書かれている「高価なもの=良質なもの」という話しがとても有名です。

 

でも、それを知っただけで満足しちゃうのもはもったいない!

 

そもそも何で私たちは「高価なもの=良質なもの」とか「専門家がそう言うなら、正しいに違いない」という単純な思考に頼ってしまうのでしょうか?

 

私たちは、とてもつもなく複雑な環境に住んでいます。これほど急激に変化し、複雑に入り組んだ環境がこの星に存在したことは、これまでに一度もありません。これに対処するためには、思考の近道を用いることが必要なのです。

 

思考の近道」これがキーワードです。

 

テレビとかで専門家先生が言っていることは、なんとなく「そうなのか」と思ってしまう。・・・というか、「この人の発言は本当に真実なんだろうか?」と疑って、一つひとつを検証していたら社会生活を送れなくなってしまいます。・・・というか、いちいちそんなことするヒマ人はそんなに多くないですよね。

 

だから「専門家がそう言うなら、正しいに違いない」と思考をショートカットしながら生活してるわけです。

 

「高価なもの=良質なもの」これも同じです。

 

私が思うに、高価(高額)って、ある種の権威と同じ効果があると思うんですよね。

 

芸能人が目隠しをして、高級な牛肉とスーパーの特売品のものとをちゃんと見分けられるか?って番組があるじゃないですか。

 

GACKTさまは別格として(笑)、多くの芸能人が間違えるんですよね。

 

あれって「値段で有り難かってるけど、実は価値なんて分かってないじゃないか!」と画面のこちら側でケラケラと笑うところに面白さがあるわけです。

 

「ゲーノージンって言っても、大したことないなぁ」ってね。

 

ペンギンオヤジ
芸能人も私たちも本当の価値じゃなくて値段で判断してるよね

 

もっともケラケラと笑ってる私たちも実は日常のなかで、何だかよく分からないものは値段で価値を判断してますよね。

 

こうした私たちの価値判断について著者は次のように注意を呼びかけます。

 

自動行動パターンについては、絶対に押さえておくべきポイントが存在します。それは、このパターンの機能を熟知する者に対して、私たちは恐ろしいほど無防備になるということです。

ポイント

第1章のポイント

  • 私たちは思考の近道をするために「高価なもの=良質なもの」のようなステレオタイプの思い込みで判断をしている
  • 「Yes!」を言わせようとして近づいてくる相手の手口に気づけるようになることが大切
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