バズる文章教室

読書

【これは使える!】「文芸オタクの私が教える バズる文章教室」三宅香帆:著

2019年11月6日

 

「文芸オタクの私が教える バズる文章教室」
三宅香帆:著
サンクチュアリ出版

 

前回の記事では、この本全体の内容や私が受けた印象についてまとめてみました。

《前回の記事》

バズる文章教室
【文章を味わうフルコース!】「文芸オタクの私が教える バズる文章教室」三宅香帆-著

三宅香帆さんの「文芸オタクの私が教える バズる文章教室」をご紹介します。
本を読むときに、「あぁ、こういう読み方や楽しみ方があるのか」と気付かせてくれて、今まで以上に本を読むのが楽しくなる1冊だと感じました。

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今回は本書の中からブログなどを書くときに「これは使える!」というものをいくつかご紹介したいと思います。

 

本文からの引用多めです。

 

アマゾンの内容紹介

『バズる文章教室』は、"文才”と言われる「すぐれた文章感覚」を、できるだけ平易な言葉を使って解説する本です。

主にブログやSNSなどで日常的に、自分の考えや体験などを発信している人に役立つようにと考えてつくりましたが、めったに文章を書かない人にも、これから文章を書いてみようと考えている人にも、あまり知られていない「読みたくなる文章のからくり」を楽しんでもらうことをめざしています。

もう「書き出し」で悩まない!バズるつかみ

 

原稿用紙と鉛筆

ブログ・・・に限らないかもだけど、文章の書き出してって難しくないですか?

 

よくブログは「タイトル」と「書き出し」で、読まれるかどうかが決まる!なんてぇことが言われますが、そんな言葉を聞いたらよけいに悩んでしまいます。。

 

そんな「お悩み」に対して、この本では「バズるつかみ」をいくつか紹介してくれていて、その中から私が「これはいつか使おう!」と思ったものを2つあげてみたいと思います。

最初に意味不明な言葉を放り込む

しいたけのイラスト

なんで「合宿」というものに参加しようと思ったかと言うと、合宿ってポロリが多いんですよね。

ポロリとは何かについて説明したいんですけど(後略)

 

これは、この本の一番最初、トップバッターとして紹介されている文例で、書いたのは女性に人気の占い師、しいたけ.さん。

 

「ポロリ」・・・気になりますよね。それも合宿でポロリです!思わずムフフなことを想像してみたり(笑)

 

この、しいたけ.さんの文章に対して、著者の三宅香帆さんは次のような解説を書いてます。

 

最初になにか”ひっかかり”があると、どうしても続きを読みたくなるんですよね!

こんなふうに、先にあえて"刺激的かつ意味不明な言葉”を放り込み、後から「実はこういうこと」とやさしく説明する流れを作ることで、読み手をするっと巻き込むことができます。

 

最初にひっかかりのある言葉を放り込む。。

 

この本の中では、もう一つ、そういう文章が紹介されています。

 

晴れた朝、今日は伊福部昭の『ゴジラ』のCDを鳴らそうかな、と思う。二階の窓の外は穏やかな陽が射して、吹く風も優しい。こんなのを「ゴジラ日和」というのだろう。

出典「ゴジラよ、瞑れ」村田喜代子

 

「ゴジラ日和」ですよ!やはり、なんか意味不明ですが続きが気になりますよね。

 

そこで、私が考えた書き出し。

 

ある朝、私は不安な夢からふと覚めてみると、ベッドの中で自分の姿がバルタン星人に変わっているのに気がついた。

 

どうですか、続きが気になりませんか?って・・・カフカの「変身」のパクりじゃん!

 

あっ、ちなみに「ポロリ」が何か気になる人は是非とも本書で確認のうえ、自身のスケベさ加減を悔い改めてください(笑)

 

ふたつのものを並べて始める

カステラ

桐の花とカステラの時季となった。私は何時も桐野の花が咲くと冷たい吹笛の哀音を思い出す。

出典「桐の花とカステラ」北原白秋

 

この北原白秋先生の作品に対する著者の解説は以下の通り。

 

ふたつの言葉は強いです。「菊とバット」「女子高生とドラッカー」「老年と開脚」・・・一見なんの関連もなさそうなふたつの言葉を組み合わせると、そこに新しい世界が生まれます。

そうやってふたつの言葉を並べてみることによって、思考はそのふたつの言葉の共通点、相違点、類似点などを見つけ、展開させようと働いてくれる気がする!文章が走り出しやすい書き出しだと思いませんか?

 

ふたつの言葉を並べてみる。それも、当たり前のものよりも違和感を感じるようなもののほうがインパクトがあって、つづきを読みたくなりますよね。

 

「ポニーテールとシュシュ」よりは、「ファーストキスが太宰の命日」の方が、「おっ?!」ってなる。

 

「ポロリ」「ゴジラ日和」「桐の花とカステラ」・・・言葉のセンスは必要かもしれないけど、書き出しに悩んだときに、いつか試してみようかな?と思います。

 

マシュマロ語尾で共感アップ!

 

マシュマロ

文章を書いているときに悩むことの一つに語尾をどうするか?という問題があるような気がします。

 

よく言われるのが、「~だ。~である。」調で書くか、「です。ます。」調にするかというのがありますよね。

 

前者は何となく力強い印象を与えるし、後者はていねいな感じがします。 だけど、語尾の表現はそれだけじゃない。

 

先ずは次の文章を読んでみてください。

 

「何かやりたい」という気持ちが湧いてくる。湧いてくるって前向きな表現では無いが、溜まってるって感じ。「何かやりたい」が底の方に濁って沈殿してる。

この漠然とした欲求って、多分「モテたい」とか「死にたい」と同じカテゴリーだと思います。「モテたい」って好きな人がいる時ってあんま湧いてこないと思うんですよ。

 

この文章は漫画家のかっぴーさんのブログから引用したものだそうです。

 

著者、三宅さんはこの文章のポイントとして次のように書かれています。

 

とにかく「思う」「感じる」など、語尾を曖昧にする言葉が多いこと!

 

著者によれば、SNSでは敢えて断定ではなく、語尾を曖昧にした表現にすることで、親近感を感じさせたり、誠実さが伝わってくると言います。

 

スマホやPCの画面で読まれる文章って、紙の本のようにじっくり読まれることって少ないと個人的には思うんですよね。

 

通勤・通学の電車の中とか、休み時間などにサラッと読まれる感じ?

 

だから、語尾も従来のような「です。ます。」調や「~だ。~である。」調よりも、もっと普通の会話に近い感じにした方が、いいのかもしれない。

 

だいたい、日常会話の中で「です。ます。」で喋ってる人なんている?

 

断定には力強さがあるけど、そればかりで押し通されたら、読んでいてちょっと疲れちゃう。

 

かといって、曖昧な語尾ばかりだと文章がすこしぼんやりしてしまう。

 

自分の意見を主張したいのか?それとも、単に読者に語りかけたいのか?

 

どういう文章を書きたいのかによって、語尾も工夫する必要があるってことですね。

 

※「マシュマロ語尾」・・・営業コンサルタントでビジネス書作家の和田裕美さんの本に書いてあった言葉で、語尾をなんとなくフワッとさせて、優しい印象を与える語尾の手法。

 

「ねぇ、聞いてる?」突然、読み手に話しかける

話しかける人

「目がまくまくする」と言って驚かれたこともある。使いませんか?目ってときどきまくまくするでしょう。 (中略) 先日、母が呟いた。 「あー、目がまくまくしてきた!」 ほらね。でもこれ、阿川家限定のオノマトペかもしれない。

 

これはエッセイストでテレビにもよく出演している阿川佐和子さんのエッセイ。

 

「目がまくまくする」・・・?!

 

そんな言葉、使わないよ~!というツッコミは横に置いておいて、この文章に対する著者の解説は次の通り。

 

突然「使いませんか?」と声をかけてくる。もちろんこの問いかけは誰に向けているのかというと、読み手です。

さらに「まくまくするでしょう」と同意を求めてくる。この相手もまた読み手なので、私はドキッとさせられる。

また私に向かって念押しするかのように「ほらね」と言い、私の目をしっかり見たまま話を終えます。 これって、すごい効果があるんですよ。

 

ひとり語りをしているような文脈の中で、突然、読者に向けて「使いませんか?」とか、「ほらね」と話しかけてみる。

 

そのことで、読者との距離を縮める効果をだしているんですね。私は、あなた(読者)に向けて話しかけているんですよ、ということになれば、読んでる方も、他人事じゃなくなるじゃないですか。

 

たまに読み手と想像上のやり取りする。これはプロの作家さんもよく使う効果的な技法なので、ぜひ試してみて。

 

・・・という、著者からアドバイスに従って私も今回の記事で何カ所か、みなさんに話しかけてみましたが、どうでしたか?

 

感想

 

読書感想文イラスト

最後に私の感想を2点ほど。

 

この本を読んで、「小説家は1行たりとも無駄な文章は書かない」というようなことを、作家の遠藤周作さんが何かの本に書いていたのを思い出しました。

 

この本には作家さんや芸能人など50人くらいの方々が書かれた文章が引用されてます。

 

そして、その一つ一つの作品に対して、著者が文章的にどこがポイントなのかを解説しながら、文章テクニックが学べるようなってます。

 

ふだん、私は「なにが書かれているか?」ばかりに注目しながら本を読んでいて、「どんなふうに書かれているか?」は、あまり気に掛けたことがありませんでした。

 

だから、著者の解説を読みながら「おぉ、この1行には、そんな意味が隠されていたのか!」と、目からウロコがぽろぽろとこぼれっぱなしでした。

 

「読みやすい文章」とか「印象に残る文章」には、(当たり前かもしれませんが)ちゃんと色々な工夫がされているんですね。

 

それと、もう1点。

 

この本のあとがきで、著者はこんなことを書いてます。

 

みんなが同じような書き方をする世の中なんていやだ。

誰もがみんな、その人らしい言葉を自由に使えばいいじゃないか。

(中略)

「自分にしか書けない文章で、他人に楽しんでもらう」ことを狙いとした文章テクニックを詰め込んだつもりです。

 

文章の書き方について書かれた本って、ほんとうにたくさんありますよね。

 

私も、遅まきながら自分の文章力向上を目指して、その手の本を色々と読み漁っているところです。

 

だけど、マニュアル世代の悲しい性で教科書的な本を読むと、自分の文章をそれに合わせようとしてしまうんですよね。

 

だけど、この最後の著者の言葉は、教科書的な文章=没個性的な文章を書いていて、それでいいの?という問いかけだと思うのです。

 

この本に引用されてる50人くらいの文章、読む人によって、しっくりくるものもあれば、そうじゃないものもある。

 

ムリして、全部をマネしようとするんじゃなくて「これは使える!」と思ったものを自分の文章に取り入れていけばいい。

 

「これは使える!」と感じた、それこそが、きっとあなたの感性であり、個性でもあると思うから。

 

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