「20歳の自分に受けさせたい文章講義」
古賀史健:著
星海社新書
ブログやSNS、あるいは会社のレポートやメールなど、何かの文章を書きたいのに、手が動かない!
そんなことはありませんか?
私、ブログを10年以上もやっていますが、しょっちゅう「ブログが書けない病」になります。。
あるいは、頑張って書き上げた文章を読み返すと、さっぱりワケのわからない支離滅裂な文章になっていることもよくあります。
フツーは10年も続けていれば、少しくらいは成長すると思うんですけどねぇ・・・(バカなのか?>自分)
- 文章を書こうと思っても筆が進まない
- 支離滅裂な文章になってしまうことがよくある
- ムダに文章が長くなる
そんな私の悩みに対して、この本は一筋の光明を与えてくれました!!
問題点を明確にしてくれたうえに、どうすれば良いかというアドバイスがしっかりと書かれていたのです。
タイトルに「20歳の自分に・・・」とありますが、私はこの本を読み終えて、20歳とは言わん!せめて、ブログを始めた10年前の自分に読ませたい!と思いました。
アマゾンの内容紹介
「話せるのに書けない!」人のための”文書の授業” どうすれば自分の気持ちや考えを「文章だけ」で伝えることができるのか?この授業のスタート地点はそこにある。
そう、僕らは「話せるのに書けない!」のだ。人に口で伝えることはできても、それを頭の中で文章に変換しようとすると、とたんに固まってしまう。
この授業では、現役のライターである僕が、現場で15年かけて蓄積した「話し言葉から書き言葉へ」のノウハウと哲学を、余すところなく伝えていく。
学校では誰も教えてくれなかった”書く技術”の授業をいま、始めよう!
私がこの本で参考になったポイント
この本を読んで私が文章を書くうえで参考になった点をいくつか箇条書きでピックアップしておきます。
・文章とは、頭のなかの「ぐるぐる」を、伝わる言葉に翻訳したもの
・リズムの悪い文章とは、文のつなげ方がおかしい「読みにくい文章」のこと
・「接続詞」を意識すれば、文章は論理破綻しにくくなる
・断定のリスクを乗り越えるためには、断定する箇所の前後2〜3行を、しっかりとした論理で固める
・論理的な文章の3層構造(主張、理由、事実)
・頭のなかを可視化するためには、紙に書き出すのがいちばん
・頭のなかのキーワードを整理して「流れ」と「つながり」を見える化する
・文章を書くことは、他者を動かさんとする「力の行使」であり、そのためには自分の主張を明らかにするのは当たり前
・いい文章とは「読者の心を動かし、その行動までも動かすような文章」のこと
頭のなかの「ぐるぐる」を言葉に翻訳する
“思い”というと言語化されたもののようだが、頭をぐるぐると駆け巡っているのは言葉ではない。言葉以前の、茫漠たる”感じ”である。
このぼんやりとした”感じ”や”思い”のこと、そしてそれが駆け巡るさまのことを、ぼくは「ぐるぐる」と呼んでいる。
頭のなかの「ぐるぐる」を、伝わる言葉に”翻訳”したものが文章なのである。
文書を書こうと思っても手が動かない原因の一つが、この頭のなかの「ぐるぐる」が翻訳できていないからだと著者は書いています。
何となく、こういうテーマで書こう!と思ってキーボードを打ち始めます。
しかし、大抵の場合は数行くらいで手が止まってしまうんですよね。
なぜか?
「何となく、こういうテーマ」と頭の中で考えていても、それは言語化される以前の「思い」や「感じ」だから。
文章とは、つらつら書くものではない。
そうなのである!
つらつらと文章を書いて名作を生み出せるのは兼好法師くらいで、凡人はちゃんと「ぐるぐる」を翻訳してから文章を書き始めないとダメなんですね(反省である)。
どうやって「ぐるぐる」を翻訳するか?
頭のなかをうごめいている「ぐるぐる」は、可視化することによってようやく客観視できるのである。
図解するメリットは、「流れ」と「つながり」が明確になることだ。
対象となるキーワードを書き出し、マルや四角で囲んで、矢印でつなげていく。
この本によれば、「ぐるぐる」を翻訳するには、先ず頭のなかを紙に書き出すことから始める。
次に、書き出した言葉をマルや四角で囲んだり矢印でつなげたりしながら、話の「流れ」や「つながり」を整理していく。
まぁ、わりとよく知られている方法だと思うのですが、実際にやっている人は限られているのでは・・・?
面倒くさくて端折ってしまうんですよね>自分
ただ、この紙に書き出すという作業をしながら、しっかり「考える」ことをしないと、実際に文章は書けないし、書けたとしても要領を得ない残念な文書を生み出してしまう気がします。
この他にも「ぐるぐる」の翻訳方法として人から聞いた話を自分の言葉で誰かに話す。そのことで再構築、再発見、再認識という「3つの再」が得られるという話も書かれていて、これは本を読んだ後で、こうしたブログを書くときにも応用できるように思います。
文章のリズムは「論理展開」によって決まる
リズムの悪い文章とは、端的に言えば「読みにくい文章」のことである。
文がおかしいのではなく、文と文の「つなげ方」や「展開の仕方」がおかしいとき、その主張は支離滅裂になり、リズムよく読めなくなるのだ。
文章のリズは、「論理展開」によって決まるのである。
「論理展開」とかいわれると、「演繹法」やら「帰納法」という言葉が思い出されます。
かなり以前から、自分が書いた文章が支離滅裂になることに気付いていたので、何とかしようと「ロジカル・シンキング」や「ロジカル・ライティング」の本を今までに何冊読んだことか!
それでも、身に付かず・・・(ダメじゃん、自分)
だけど、この本では「論理展開」といっても、あまり難しい話ではなく「接続詞」によって文のつなげ方がおかしくないか?をチェックする方法がかいてあって、これなら私にも出来るのではないか?!と思わせてくれました。
例えば、「あれ」「これ」「それ」の話しを書いたとします。
この3つが、ちゃんと話しとしてつながっていれば問題はありません。
だけど、「何となく・・・」で書き始めた文章は思いつくまま、書きたいことを書いているので「あれ」「これ」「それ」がつながってなくて、読み返すとワケがわからず支離滅裂な印象になってしまうんですね。
では、ちゃんとスジが通った文章にするにはどうするか?
たとえば「今日は大盛りのカツカレーを食べました」という一文と「お腹が空いています」という一文を”だから”の接続詞でつなげては、支離滅裂になってしまう。つなげるとすれば”しかし”や”ところが”などの接続詞になるだろう。
こうして、「そして」「しかし」「つまり」「だから」といった接続詞でつながりをチェックすればいいんですね。
そうすれば、演繹だの帰納だのという難しいことを考えなくても文章の論理的整合性が保たれるというわけです。
原稿に「ハサミ」を入れる
問題は「なにを書かないか?」
問題は「なにを書くか?」ではなく、「なにを書かないか?」なのだ。
こうして物事を「引き算」で考える作業は、最終的に「自分にとって大切なものはなにか?」「自分はどういう人間で、どんな価値観を持って生きてきたのか」を考えることにつながっていくからだ。
私が書くブログ、長くないですか?
自分でも「長い!」ということは、充分に自覚しているのですが、書き上げてみると3千字とか4千字になっているのです。。
これは結局、あれも書こう!これも書こう!と「足し算」で考えているからなんですね。
「引き算で考えることは、自分にとって大切なものは何かを考えることにつながる。」
少し哲学的な感じもしますが、本当にその通りだと思います。
面白くない文章とは冗長な文章
読者にとって冗長な文章ほどつらいものはないだろう。
日本語で長文を書いてしまうと「いまなんの話をしているのか」「結論はなんなのか」が不明瞭で、読者は集中して読むのが難しいのだ。
文章の総量が長いというのもの問題だけど、一文が長い!というのも問題ですよね。
これも身に覚えがある話しで、少し前までブログを書くときに、私は次のような書き方をしてました。
うちの近所には、
歩いて5分ほどの距離に
醤油ラーメンの人気店があり、
自転車で10分のところには、
豚骨ラーメンの店があるけど、
味噌ラーメンの店はどこにもなくて、
結局、
なにも食べずにガマンしました。
最近はブログをケータイやスマホで読む人が多いので、狭い画面で読みやすいようにと読点「、」のたびに改行していたんですね。
でも、こうすると一節ごとの文章は短いけど、つなぎ合わせてみると意味不明!ということがよくありました。。
この本にも書いてありますが、日本語はどうしても結論が文末に来るので、長い文章だと最後まで読まないとなにが言いたいのか分からなくなるんですよね。
これからは、文の途中で余計な改行など入れずに、なるべく長い文章は書かない!ということを心がけようと思った次第。
感想に代えて・・・
今回の記事では「文章を書こうとしても書けない!」「支離滅裂な文章になってしまう」「ムダに文章が長くなる」という私の悩みの解決に役に立った部分を紹介させてもらいました。
この本では他にも文章を書くうえで役に立つ考え方やノウハウが詰まっていて、
「なんで、もっと早くにこの本に出会わなかったんだ?!」と思ったくらいです。
そして、ふと、気になって奥付を見ると、2012年に初版が出版されたあと重版を繰り返し、2019年には21刷と版を重ねていました。
つまり、世間的には随分と前からこの本の存在は知られていて、多くの人が読み継いできたってことなんですね(もっと情報感度を高めろ!>自分)
日常的に何かしらの文章を書く人には、超絶にオススメしたい1冊です。
読むべし!
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